駐禁が民間の監視員に
2006年6月から駐車違反の取り締まりは民間に委託されました。それ以前はミニパトの婦人警官がチョークでタイヤに印を付けて、10分~15分くらいの時間の猶予があったのですが、新しい制度では1~2分でも駐禁の切符を切られてしまいます。もっとも写真を撮ったり、切符を切る手間がありますので、5~10分くらいはかかってしまうので、その間に車に戻ればセーフになります。乗用車の反則金は15000円です。駐停車禁止の場所では18000円だったと思います。
この制度が始まったころは、だいたい西新宿あたりで仕事をしていましたが、とにかく昼ご飯に苦労しました。道路上に駐車が当たり前のラーメン屋の前などでは、昼時に監視員が狙ってやってきます。おちおち食べていられないので、当然足が遠のきます。知っているだけで3軒のラーメン屋と1軒の定食屋が閉店しました。
西新宿辺りでは、駐車場のある個人店などはほとんどないので店員が外に出て見はったり、道路にカメラを設置して、店内にモニターを置いたりする店までありました。しかしカメラとモニターは後々、警察の指導が入り、取り外すことになったそうです。その店の店主の話では、近所に駐車場を借りるようにと警察から言われ、泣く泣く借りたそうですが、少し離れていて、そこに車を止めてまで来てくれるお客はほとんどいないと、嘆いていました。そのお店も2年ほどで閉めてしまいました。
聞いた運転手の話では、日本橋で立ち食いそばを食べて出てきたら、駐禁のステッカーが貼られていたと嘆いていました。15000円の立ち食いそばです。当然駐車違反を意識して、立ち食いを選択し、車を止める時も周りを見回し、監視員の姿がないのも確認したと言っていました。要するにどこか物陰に隠れて見はっているということです。実際に下落合の処理場そばの、公衆トイレの陰に隠れている監視員を見た事があります。反対車線を走っていたので、見えたのですが、知らずにトイレに入った人は駐車違反の切符を切られるのでしょう。かなり酷いと思います。私は幸いにも1回も捕まってはいないのですが、ラーメンを食べているときに監視員が来て、外に出たのが2回あります。
結局はコンビニ弁当かファミレスしかなく、案外飲み物迄計算に入れると、ファミレスが安くなるので、昼はまるでタクシー会社の駐車場のような、ファミレスがあちこちにできました。都心のコンビニは駐車場がない店が多いのも使いづらく、コンビニにいるわずかの時間も車が気になるのです。
公衆トイレも使えなくなり、高層ビルの地下のトイレをすべて覚えました。婦警さんの時代は怖い人もいましたが、大概は鷹揚で、「気を付けてくださいね。」などと言い、許してもらえることもありました。今の監視員はもしかして歩合制なのか、せこく感じます。
タクシー以外の車
タクシーの運転手は毎日走り回っているのですから、監視員の動きなどは見ているので、捕まることもなくなりますが、配達などの車は大変です。ファミレスなどで、宅配業者の人たちは捕まった話をよくしていたのを覚えています。その人たちの話では、監視員の人たちは宅配の車を見つけると、隠れて見ているのだと言っていました。その当時は人件費をかけて、助手を乗せて対処するようになりました。止まっている宅配の車には、何もすることがなく、退屈そうに座っている助手がいました。捕まると15000円ですから、助手に払うお金はペイできるのでしょうが、その増えた経費は誰が負担しているのだろうかと、考えてしまいました。ただ座っているだけなのだから、蝋人形か何かを置いてはどうかなどと考えたりしましたが、直ぐにばれたり、カメラを設置したラーメン屋さんみたいに、警察の指導などがあるんだろうと思ったりしました。今では自転車で配達したりいています。バイクにしたらと言う人がいると思いますが、バイクは駐車違反で捕まります。ちなみにバイクの違反金は9000円です。それにしても今年のように、暑い夏は大変だと同情してしまいます。